録音UP♪ ~ 大戸屋での日常的なひとこま

FUN-RAJI(ファンラジ)では、LIVE放送中はチャットルームも公開し、リスナーさん同志の交流の場となっております。今回も、このLIVE放送を録音しアップしました。(※3月30日放送分)
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先日、この時期恒例の成人検診に行ったあと、前夜から何も食べてなかったので一目散に大戸屋に入った。
「和風ハンバーグ、大盛りライス、あと、ジャコおろしね!そうそう、ドリンクバーもねっ」とフルコースを注文していたら、隣のテーブルに男女のカップルが座った。
まだ、午後も早かったので店内は混んでいて、私のテーブルもお隣のも小さい上にくっついている。
女性のほうが私側に座ったので、向かいの男性とイヤでも目が合ってしまうような位置関係になった。ま、別に良いんだけどね。
私的には、ジェフリーディーバの「12番目のカード」が佳境に入っていたので読書に夢中なんだもんね。
でも、やっぱ、近いから、どうしても話し声が耳に入ってしまうのよね。
そしたら、お二人は親子で、若く見えるけどお母さんと、B系ファッションの若者は息子さんだというのが自然とわかってしまった。
お母さんというのが大原 麗子的というか、大竹しのぶてきというか・・とにかく、ちょっと舌足らずな甘えたようなしゃべり方で、とても、ガタイがでかく無精ヒゲをうっすらとはやした若者の母親とは思えない。服装も、ちょい前の女子大生的である。
「なんで、突然来るんだよ」
「だって、行ってもいい?って聞いたら『いいよぉー(尻上がり)』って言ったじゃなぃ」
「ちがうよ、『いいよぉー(尻下がり)』って言ったんだよ!」
「じゃ、『いいよぉー(平坦)』ていうのは、お母さんに来なくていいってことだったの?」
「そうだよ、就職試験におふくろが来て、どーすんだよ」
ほほえましいと言えばそうなんだけど、これはおかしかった。まだ、ジャブ程度だけど、私は基本的にこの手の攻撃に弱いのである。
笑っちゃまずいから、ホッペタをピクピクさせながら読書に没頭してるふりをしてると、またもや、お母様の切れ味の鋭いパンチが繰り出された。
「ちゃんと顔洗っていかなきゃだめだよぉ」
「・・・・・」
「コートも着てかないと寒いよぉ」
「・・・・・」
「その会社の社長さんの名前、覚えてる?聞かれるかもしれないよぉ」
ぶぶぶぶぶぶぶぶ・・・
もう、だめ、わたし。
コーナーに追い詰められた今となっては、しかめヅラをして本を読んでるふりをするしかないっ。
「もっと、たくさん、受けたら良いのにぃ」
「だめなんだよ、面接官は分かるんだから、本当に入社したいところに絞って受けた方がいいんだよ」
「そぉなのぉ?(妙に納得)・・でも、友達はぁ?あの立教の子は?」
「落ちたよ」
「えー、落ちちゃったのぉ?」
「一次で落ちた」
「いちじで落ちちゃったのぉ?朝から行ってぇ?」
私がつくってると思うかもしれないが、これマジである。
強烈なアッパーカットを炸裂された私は、立っているのがやっとの状態なのだ。
「ヒゲもそってかないとだめだよぉ」
「このくらい、だいじょうぶだよ」
「だいじょぶじゃないよぉ、ヒゲなんかだめだよぉ」
「へいきだよ、今、このくらいは普通なんだよ」
わたしも無精ヒゲがあるので、このあたりでちょっとマズイ雰囲気を感じはじめたのである。
お母さんのほうは、私側に座って息子さんの方を見てるので、私のことは横を向かないと見えないのであるっっ
息子さんは私と向かい合ってるから当然、見えてるわけで、彼も内心、困っちゃってるんだろう。
ちらちらと私の方を見ている。
「普通じゃないよぉ、変だよぉ」
「今は社会人だって、無精ヒゲはやしてる人たくさんいるんだから」

「ちゃんとした社会人はそんなことないよぉ」
その瞬間、息子さんの視線の先を感じたのだろうか、お母様が横を向いて私を見た。
コンマ何秒かの沈黙のあと、彼女は言った。

「サラダ、おそいねぇ」
大人って、こわい・・。